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人口山脈:人口を標高にした日本地図。国土の半分に住むのは5%

1kmメッシュの人口を標高に見立てて等高線で積み上げ、国土地理院の標高と同じ形で重ねた日本の地形です。重ねてみると、国土の半分を占める標高250m以上の土地に住む人は5%しかおらず、そのほぼ半分は長野県と山梨県の人でした。

「人口山脈」は、人口を標高に見立てて積み上げた日本の地形です。国土数値情報の1kmメッシュ人口(2020年)から人口の等高線を描き、国土地理院の標高と同じ形で重ねました。青い線が土地の高さ、ピンクの線が人の多さを表します。

二つの地形を重ねると、ほとんど重なりません。国土の半分は標高250m以上の土地ですが、そこに住む人は日本の人口の5%しかいません。しかも、その5%の半分近くは長野県と山梨県の人でした。

冒頭には30秒の動画を2本置いています。1本目は、標高図に人口を重ねて関東、長野、関西を巡ります。2本目は、北海道の宗谷岬から沖縄の石垣島まで、人口の地形の上を飛びます。

なぜ棒ではなく等高線なのか

人口を地図の上に立体で示すときは、1kmメッシュごとに人数の高さの棒を立てる表現がよく使われます。棒は一本ずつの人数を高さで読める反面、手前の棒が奥を隠し、人の集まりがどんな形の山になっているかは見えにくくなります。

人口山脈では、人数を等高線で区切り、段として積みました。等高線にすると、人口の分布を、尾根や谷のある一続きの地形として読めます。土地の標高も同じ等高線で描けば、二つの地形を一枚に重ねて、どこで重なり、どこで離れているかを比べられます。山脈のあいだを人口が細く通る伊那谷の形も、この重ね方で見えるようになりました。

人口を、もう一つの標高にする

人が住む1kmメッシュは、2020年の時点で全国に176,896あります。各メッシュの人数を少しなめらかにしたうえで、1kmメッシュあたり100人、400人、900人と、100×i²人ごとに16段の等高線を引き、段ごとに高さを与えて積み上げました。段を人数の平方根で刻んだのは、人数に比例して刻むと東京だけが突き出て、地方の人口の山が見えにくくなるためです。

最初の段は1kmメッシュあたり100人なので、それより人の少ない土地には線が立ちません。線のない土地も無人とは限らず、人の住む1kmメッシュの約半分がこれに当たります。そこに住む人は約327万人で、日本の人口の2.6%です。

土地の高さは、国土地理院の標高タイルから250mごとの等高線を作り、人口と同じ形で積みました。単位の違う二つの高さなので、標高3,000mと東京の人口の山頂がほぼ同じ高さになるよう縮尺をそろえています。

国土の半分に、住むのは5%

標高250mを境に国土を二つに分けると、標高250m以上の土地が国土の49%を占めます。そこに住む人は約607万人で、日本の人口の4.8%です。反対に、標高50m未満の土地に人口の69%が住んでいます。

関東の人口の山と、富士山、秩父山地の標高。東京都1,405万人、神奈川県924万人、埼玉県734万人、千葉県628万人の人口の山が関東平野に集まっている。字幕は「国土の半分は標高250m以上。そこに住む人は5%」
関東の人口の山と、富士山、秩父山地の標高。東京都1,405万人、神奈川県924万人、埼玉県734万人、千葉県628万人の人口の山が関東平野に集まっている。字幕は「国土の半分は標高250m以上。そこに住む人は5%」

関東では、東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県の人口の山が関東平野に集まり、一つの大きな山になっています。西にある富士山や秩父山地の上には、人口の段がほとんど立っていません。

二つの地形が重なる土地は、さらに限られます。標高250m以上で、1kmメッシュあたり100人以上が住む土地は、国土の約3%です。

5%のうち半分近くは、長野県と山梨県

標高250m以上に住む約607万人を県ごとに数えると、長野県が34%、山梨県が13%を占めました。二つの県を合わせると半分近くになります。長野県は県民205万人のほぼ全員が、山梨県は県民の95%が、標高250m以上に住んでいます。この二県に続くのは、福島県と岐阜県です。

長野県と山梨県の人口の山。飛騨山脈と赤石山脈のあいだの伊那谷を、人口の山が細く通っている。長野県205万人、山梨県81万人
長野県と山梨県の人口の山。飛騨山脈と赤石山脈のあいだの伊那谷を、人口の山が細く通っている。長野県205万人、山梨県81万人

長野県では、飛騨山脈と赤石山脈のあいだの谷(伊那谷)を、人口の山が細く通っています。長野県の人も、ほかの地域と同じく盆地や谷の底に住んでいます。ただ、その底がすでに標高250mを超えているため、県民のほぼ全員が5%の側に入ります。

大阪の人口の山と紀伊山地

関西の人口の山と紀伊山地。大阪府884万人、京都府258万人、兵庫県547万人、奈良県132万人。大阪湾を囲む人口の山の南に、人口の段がほとんど立たない紀伊山地が広がる
関西の人口の山と紀伊山地。大阪府884万人、京都府258万人、兵庫県547万人、奈良県132万人。大阪湾を囲む人口の山の南に、人口の段がほとんど立たない紀伊山地が広がる

関西では、884万人が住む大阪府の人口の山が、京都府や兵庫県の山とつながって大阪湾を囲んでいます。ところが、そのすぐ南の紀伊山地では、人口の段がほとんど立ちません。山あいにも人は住んでいますが、1kmメッシュあたり100人に届く場所が少ないためです。

数字の読み方

標高は、各1kmメッシュの中心の値を国土地理院の標高タイル(ズームレベル7)から読んだ近似値です。割合は、標高250m、1kmメッシュあたり100人という区切りの選び方によっても変わります。県の人口はメッシュを県ごとに合計した値で、2020年国勢調査の都道府県人口と一致します。人口はすべて2020年の値で、将来の推計ではありません。

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2050年、2070年に人口山脈がどう削れるかは、続編としてXとInstagramで発信します。X / Instagram

出典:「国土数値情報(1kmメッシュ別将来推計人口データ、行政区域データ)」(国土交通省)、国土地理院 標高タイルを加工して作成。

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